風呂なし物件は売れる?浴槽やシャワーなしでもジワリと人気の賃貸アパート

相続で引き継ぐことになりそう…築年数が古いアパートは人気がジワジワきているらしい。風呂なしアパートって1棟まるごと売れるの?
ちょっとクセのある物件の買取り情報を、不動産のプロであるドリームプランニングの社長が解説します。

1.どうする!風呂なし物件を売りたい

風呂なし物件とは、文字通り、居室に風呂のない物件です。

たいてい築50年ほどの木造アパートであるので、不便なことが多いです。

一方、家賃を低く抑えることができるため、若者にじわじわと人気が出てきています。

風呂なし物件が意外と人気な理由は?

「風呂なし物件は家賃が安いから!」と、風呂なし物件に住んでいる人も少なくありません。

ちょっと古くさく、住むのがきついイメージがある風呂なし物件。

しかし、20・30代の若い世代の中には「入浴は銭湯やスポーツジムで済ませるから問題ない」と、あえて風呂なし物件を選ぶ人も少なからずいます。

一言で風呂なし物件といっても、少しずつ設備にちがいがあります。

  • キッチンやトイレが共用である
  • キッチンやトイレは居室に完備している
  • 洗濯機置き場は室内にあるので利便性はある

どのアパートも「浴槽なし」には変わりありませんが、個々に仕様が異なります。

風呂なし物件が30坪の敷地(建ぺい率60と仮定)に立つ2階立てのアパートなら、1戸あたり9坪(30㎡弱)(共用部分含む)として、4戸の居室がある計算になります。

風呂なしでも、意外と広々としたイメージですね。

またアパートだけではなく、戸建て住宅にも風呂なし物件は存在しますが、今回は「風呂なしアパート」を中心に解説しましょう。

風呂なし物件は売れる?事例から解説

風呂なし物件が意外と人気なら、風呂なし物件は売れるものでしょうか?

実例として「風呂なしアパートの売却」の相談例をみていきます。

相談内容

父が「風呂なしの古いアパート」を所有しています。父も高齢になってきたので、そろそろ相続のことが気になっています。
最近、このアパートの部屋への入居者を見つけるのに苦労しているそうです。築古で風呂なしのアパートなので、このまま相続することに不安があります。もし誰かが買ってくれるなら、売ってしまいたいと考えています。
こういう風呂なしで古いアパートでも、解体せずにそのまま売ることはできるのでしょうか?

回答内容:ウチカツに登録のある不動産会社より

風呂なしアパートは風呂がないので不便で古い建物であることも多いです。資産価値としては低いと言わざるを得ないでしょう。
それでも、たとえ「売りにくい」ということはあっても「売れない」ということはないようです。築古の建物でも、十分そのまま売ることが可能です。


それはなぜなのでしょうか……風呂なし物件の特徴などを一緒に見ていきましょう。

風呂なし物件の魅力

浴槽やシャワーがないので、入浴面では不便を感じます。

一方、風呂なし物件には下記のような良さを感じることができます。

【1】ゆったりした間取りで居心地が良い
【2】水道やガス代が節約できるのでお得
【3】賃料が安いので住みやすい
【4】いろんなニーズで利用できるので便利

ゆったりした間取りで居心地が良い

一般的に風呂なし物件では、間取りを広めにしていることが多くあります。

風呂や脱衣場として使用する代わりに、部屋を広く使えることが特長です。

また、古い建物が多いため、江戸間や京間が多く採用されています。

現在の主流である団地間に比べると、同じ6畳間でも、部屋の広さが異なるのです。

「団地間・江戸間・京間」
1畳分の広さ


団地間:1.7m×0.85m≒1.44㎡
江戸間(関東):1.76m×0.88m≒1.54㎡
京間(関西):1.91m×0.955≒1.82㎡

水道やガス代が節約できるのでお得

風呂なし物件では、入浴しないため給湯器が設置されていないケースが少なくありません。

給湯器がない場合、お湯が必要な時はいちいち沸かさなければならないのです。

ガスコンロで沸かすならともかく、電気コンロやポットで沸かそうとすると時間はかかるしお金も割高になります。

中にはお風呂だけでなく、キッチンにもガスの設備がない物件もあります。

料理をする際にはカセットコンロや電気コンロなどで料理をすることになり、住むときにはかなりの不便を感じるでしょう。

4.風呂なし物件の売却時の特徴


ここでは、風呂なし物件を売却する時の特徴を解説します。

【1】同じ規模の物件で相場よりも安くなることがある
【2】ガス工事が必要になることもある

同じ物件に相場よりも安くなることがある

風呂がないということが、設備の充実という面で、入居者の利便性におけるマイナス要素として働いてしまいます。

そのため、同じ規模の物件に対しては、相場よりも低く売却しなければならない可能性が大きいです。

ガスの設備の工事が必要になることもある

風呂なし物件では、ガスの設備が使用できない物件もあります。

都市ガスはもちろん、プロパンガスさえ使用できない物件も存在するのです。

そのような場合には、物件の利便性をアップさせるために、ガスを引くための工事を行うことがあるでしょう。

そういったときには、室内のリフォームも一緒に行い、浴槽やシャワーブースなど入浴設備を新設することもあります。

なるべく高くそのまま売却したい!工夫できる3選とは


風呂なし物件をそのまま売却するときには、なるべく高値で売りたいものです。

ここでは、風呂なし物件を高値で売却する方法を解説します。

【1】入居率が高い時に売却
【2】売却する時期を選ぶ
【3】立地などのメリットをアピール

【1】入居率が高い時に売却

安定したアパート経営をするためには、入居率を95%を目指すとよいとされています。

入居率が高いほど、収益性が上がりますので、少しでも入居率の高いタイミングで売却しましょう。

稼働率(入居率)が高いほど、風呂なしアパートの価値を高めることができます。

そして、なるべく物件の魅力を伝えるようにしましょう。

風呂がないということは、どうしてもマイナス要素になってしまいますので、別の魅力を伝えるようにするのが重要です。

例えば、以下のような感じで魅力を伝えてみましょう。

  • 内見をしてもらうときに、広い間取りを見せる
  • 駅からの近さを感じてもらう
  • 室内の清掃を行き届かせ、清潔感を感じさせる

【2】売却する時期を選ぶ

一般的に不動産は、入学・就職、転勤などで需要が高まる時期に売却価格も比例します。

〇2-3月(年度末)
〇9-11月

上記の期間は、一年の内でも上記のタイミング等が売りやすくなるでしょう。

風呂なし物件の売却時も、物件が動くタイミングに合わせることができれば、不動産の売却がしやすくなるでしょう。

【3】立地などのメリットをアピール

立地が良ければ、建物にお風呂がないという不便はカバーできる場合があります。

建物の魅力の切り口を変えて、ちがった視点で建物の魅力を伝えるのがおすすめです。

たとえば、都心にある風呂なしアパートなら「駅から近いのに家賃が安い」という魅力を伝えすればよいでしょう。

どうしても売りたい!売るための事例3選


あの手この手で工夫しても、風呂なし物件の売却に苦戦してしまう場合は、根本的な対策が必要です。ここでは風呂なし物件をどうしても売りたい場合の対策3選を解説します。

【1】古家付きの土地として売却
【2】建物を解体、更地の状態で売却
【3】リフォームしてから売却

【1】古家付きの土地として売却

売りにくい建物を売るために「古屋付きの土地」として売却に出します。

建物を探している人に建物と土地を売るのではなく、土地を探している人に古い建物がついている土地を売却するというイメージです。

古屋付きの土地で売却する場合には、自身で取り壊し費用を負担しないという点が魅力と言えます。

土地自体に魅力がある場合には、古屋付きの土地として売却することもおすすめです。

【2】建物を解体、更地の状態で売却

建物を解体して更地の状態で売却すれば、物件の価値を高めることができます。

風呂なし物件は、風呂がないという不便な面だけでなく、建物そのものが古くて建築基準を満たしていない事も多いです。

建物に魅力がない場合には、解体して更地の状態にして売却することがおすすめです。

一般的に木造のアパートを解体する時の費用相場は、1坪あたり3~6万円程度となります。

30坪の敷地に立つ2階立てのアパートなら、約90万~180万円の取り壊し費用が掛かる見積もりです。

こういった解体費用は、売主が負担することになるため、金銭的な負担が過大になってしまわないよう注意が必要です。

【3】リフォームしてから売却

建て替えしたいのに、諸条件から建築不可になってしまう物件の場合には、リフォームやリノベーションをしてしまうのもひとつの手です。

8部屋ある中で7部屋がいつも空室になっているような場合には、風呂やシャワーブースを設置するなど、リノベーションを行うと良いでしょう。

物件の魅力を足せば「築古ではあるけれどシャワーがあるなら入居したい」など、風呂なしアパートの時とはちがったニーズを持つ入居希望者が見つかります。

7.困ったらウチカツに相談

「風呂なしアパートを誰かに売りたい」

風呂なしアパートのアパートについて相談したい。そう思ったら、ウチカツへ気軽に相談できます。風呂なしアパートにも、下記のような魅力を備えている物件があります。

  • 駅から近いなどの立地
  • 建物の間取りに魅力がある
  • 家賃を低く抑えられる 等

前述のように建物を解体して更地にしたり、風呂やシャワーを設置するためのリフォームを行ったりしなくても、一棟そのまま売却することが十分に可能なことが多いです。

ウチカツへの相談手順

手順1.まずは匿名で気軽に相談
手順2.登録している不動産会社から回答をもらう
手順3.個別に相談スタート
ウチカツなら費用はかかりません。
無料で「風呂なしアパート」の査定もできますよ。

8.まとめ

いかがでしたか。

風呂なし物件は、意外と人気があるとはいえ「風呂がない」ということで、なかなか入居者を見つけるのも大変でしょう。

しかし、街中に立つ築古のアパートには、立地が良い利便性の高い物件も多くあります。

うまく「風呂なし物件」の魅力を見つけて、入居者を集めてみてはいかがでしょうか。

また、相続などで「風呂なし物件を誰かに売りたい」ということなら、ウチカツにご相談ください。

あなたは、質問投稿後に気に入った回答をくれた不動産会社へ連絡するだけ。登録している不動産会社が親身に相談にのってくれるでしょう。

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