神奈川県西部に位置する開成町は1955年(昭和30年)に誕生して以来、ずっと人口増加を成し遂げています。
近年では、県内有数の住みやすい街として人気を博すようになり、人口増加率は平成17年国勢調査から4回連続で神奈川県のトップになりました。
そこで今回、不動産の専門家が作った不動産SNSウチカツが神奈川県開成町の魅力をお伝えします。
神奈川県トップの人口増加率―開成町の魅力に迫る!
開成町の概要
開成町は神奈川県西部の足柄上地区中央部に位置する町です。面積は県内市町村の中で最少となる6.55k㎡で、そこに約18,000人の人々が暮らしています。
町の東側には酒匂川、西に箱根外輪山、南に相模湾、そして北に丹沢山塊があり、豊かな自然を擁します。計画的な都市計画により、町の中・南側には住宅街、商業施設、産業施設が広がっています。
都心へのアクセスも比較的良好な地域です。町の南部に位置する小田急線小田原線の開成駅から横浜までは約40分程度、川崎までは約1時間15分、そして新宿までは1時間30分程度で移動することができます。
神奈川県西部の開成町は自然豊かで活気がある人気の町といわれているね
開成町の魅力と人口増加の理由は何なのかな、開成町にも行ってみたよ!
開成町の人口
開成町は1955年(昭和30年)に誕生した際、人口は4,663人、世帯数801世帯でした。そこから右肩上がりに上昇し、2023年(令和5年)現在、人口18,732人、世帯数は7,310世帯です。平成27年国勢調査から令和2年国勢調査までの5年間の人口増加率は7.7%で、県内市町村の中ではトップです。
人口の内訳を年少人口(0歳~14歳)、生産年齢人口(15歳~64歳)、老年人口(65歳以上)に分けてみましょう。
開成町(令和3年) | 神奈川県西地域*(令和3年) | |
年少人口(0歳~14歳) | 2,705人(14.7%) | 35,196人(10.6%) |
生産年齢人口(15歳~64歳) | 10,859人(59.2%) | 188,222人(56.9%) |
老年人口(65歳以上) | 4,851人(26.2%) | 107,636人(32.5%) |
開成町の年少人口は全体の約14.7%であり、神奈川県西全体の年少人口と比べると、開成町は子供の数が多いことがわかります。これに関連して、開成町の合計特殊出生率(令和元年)は1.54であり、県西全体(1.23)よりも高いことがまたわかります。老年人口に関して、開成町のほうが神奈川県西全体より5ポイント以上低いことがわかり、県西全体と比べると、開成町の高齢化は緩やかであると言えます。
開成町の土地利用
開成町は神奈川県で最少の面積ですが、計画的な土地利用がなされています。「開成町都市計画マスタープラン」に基づき、町の地域区分が町総合計画により、北部・中部・南部はそれぞれ「ふるさと」ゾーン・「くらし」ゾーン・「ときめき」ゾーンに区分されています。詳しく見てみましょう。
①「ふるさと」ゾーン
北部地域は全域が市街化調整区域となっており、主に農業用として土地利用されています。開成町の中で最も自然豊かな地域として、農業だけではなく、アジサイやホタル観賞も盛んです。また、築300年の古民家である瀬戸屋敷「あしがり郷」に代表されるように、歴史的な側面も感じられます。このような特徴から、後述する中・南部地域とは違った町並みを感じ取ることができます。
開成町が進める「開成町都市計画マスタープラン」(以下マスタープラン)では、良好な自然・農業環境と歴史ある町並みの整備を推進することで、新たな観光拠点として地域内外の人々を呼び込むことが期待されています。一例として、農業を体験できるエリアを設け、体験型観光事業を実施したり、農家レストランを出店することで、収穫した農産物をそこで調理・提供する取り組みなどがあげられます。
②「くらし」ゾーン
中部地域はおおむね市街化区域に設定されており、住宅地・工業地・商業地が見られます。マスタープランにおいて、住・工・商の3つの土地利用が継続されるように、様々な構想が立てられています。
住宅地に関して、水田等の景観にあわせた戸建て・集合住宅からなるゆとりある中層住宅地の形成や、西側の第一種低層住居専用地域において戸建て住宅を中心とした住宅地が見込まれています。
商業地は主に道路沿いに形成されます。北部に近い県道712号松田駐車場および町道200号線沿道において一般住宅地に混在する商業・サービス業務施設であったり、南部に近い都市計画道路3・4・1関本開成大井線沿道では自動車の利便性を生かして、沿道サービス型の商業・業務施設地を形成します。
北部側の酒匂川沿岸や、町の南部に位置する工業地帯は、周囲の景観に即したデザイン化を促進します。
住・工・商以外にも、町の中心部にある役場・町民センターの耐震化や拡充整備であったり、町民の健康づくりやレクリエーションの場としての公園を整備することで、地域コミュニティ機能の強化を図っています。
③「ときめき」ゾーン
南部地域では小田急線開成駅を中心としたまちづくりがなされています。
開成駅は1985年(昭和60年)に開業しました。これに合わせて1979年(昭和54年)に作られた区画整理事業の都市計画により、町は駅周辺の住宅地開発、商業地・企業誘致に次々と成功しました。2019年(平成31年)、開成駅に快速急行・急行が停車するようになったため、交通アクセスは飛躍的にアップし、南部の利便性はますます高まっています。
マスタープランでは開成駅のさらなるアクセス向上が目指されています。都市計画道路3・4・4駅前通り線は、駅へ誘導する道路として整備が必要とされています。
駅へのアクセス向上に併せて、駅周辺の西側地区では、買い回り品を中心とした商業・業務施設の誘致を進めます。開成駅のアクセス向上は、地域内外の人が駅周辺を楽に「買い回って」商品を購入できる機会を確保します。
主に駅の東側と北側で良好な住環境を促進するため、東側では第一種中高層住居専用地域、北側では第一種低層住居専用地域が設定され、中高層住宅と低層住宅が形成されます。周辺には地域住民への利便性を考慮した商業地が形成されます。
大企業の研究所などが集まる南西部の工業地帯は、クリエイティブな人材の創出の場として、工業地の拡大が目指されています。一例として、隣接する南足柄市と連携した足柄産業集積ビレッジ構想があります。
開成町のまちづくり
開成町の成功の要因は、日本製紙、明治ゴム、富士フィルム、パナックなどの工場誘致による労働人口、税収の確保と、土地区画整理事業による計画的な都市計画にあります。
土地区画整理事業とは、土地の区画などを綺麗に整備し、公共施設の整理や宅地の利用を増進することで、簡単にいうと魅力的な街づくりをする取り組みと言えます。
近年の土地区画整理事業による再開発では、海老名駅周辺や、高座渋谷駅などが神奈川県内では街づくりの成功例であると考えられます。特に県西部では魅力的な街づくりがされているところがあまり多くないため、若い世代から人気を集めています。
実際、開成町への人口流入は県西地域からが最も多く、住民基本台帳人口移動報告のデータを見ると、小田原、南足柄、山北などから開成町へ移動する人が多いようです。
ここでは、そんな近隣自治体から人が集まってくる開成町の主要な土地区画整理事業についてご紹介いたします。
開成駅周辺地区
開成駅周辺地区の土地区画整理事業は、昭和57年から平成8年にかけ施行され、平成8年に換地処分がされました。「換地処分」というのは、簡単に言うと区画整備がされて土地が割り当てられることを言います。
駅周辺は建物用途の制限が比較的緩く、西口側では大型スーパーや商店、マンションや住宅街が立ち並んでいて、東口側は区画整備された低層な住宅街が広がっています。
開成駅東口D地区
このエリアは平成10年から平成12年にかけて施行され、平成13年に換地処分がされました。このエリアには、開成庭園の杜パレットガーデンという4棟から成る12~14階建てマンション群が建てられており、総戸数493戸、70~105㎡位で2,000万円前半3,000万円中盤位の価格で取引されています。
開成町南部地区
開成町南部地区は平成19年から平成27年にかけて施行され、平成27年に換地処分された、比較的新しい地区です。このあたりは開成南小学校や、近隣住民のためのドラッグストアやコンビニ、コミュニティセンターなどが主要道路沿いに立ち並んでおり、その周辺に2階建てで区画が広めの住宅街が広がっています。
施行された土地区画整理事業の中では最も新しいだけあって、綺麗な街並みが広がっているのが特徴です。
駅前通り線周辺地区
開成町南部地区は令和3年から令和15年にかけて施行中の土地区画整理事業です。施行中ということで、現在土地買収などが行われている最中ですが、街の玄関口へのアクセスにふさわしい景観や回遊性に配慮した、高度な商業・業務地の形成や、中・高層住宅の建設に適した、質の高い居住環境の形成を目指しています。
開成町の街並み、暮らし
ウチカツが実際に開成駅周辺を訪れてみました。土地区画整理事業と合わせて、駅周辺の街づくりや、交通アクセスなどについて実情を見ていきましょう。
開成駅周辺(徒歩5分圏内)
このあたりは土地区画整理事業の「開成駅周辺地区」、「開成駅東口D地区」に当たるエリアで、駅の西口側には大型スーパー、銀行、郵便局、学習塾が見られました。幹線道路から少し入ったところに住宅街が広がっていています。対して東口は駅前にマンションが立ち並んでいるのがわかります。
東口には開成町と大井町を結ぶ、足柄紫水大橋があります。この橋は2014年(平成26年)に足柄大橋や報徳橋の渋滞緩和と大井町・開成町両地域の交流・連携と地域の活性化のために開通しました。大井町住民にとっては開成駅への主要なアクセス道路となっています。
開成駅周辺(徒歩10分~20分圏内)
土地区画整理事業では、「開成町南部地区」に当たるエリアで、沿道沿いに美容院、大型育児用品店、飲食店、小学校などが並んでおり、少し入ると低層な住宅街が広がっております。低層かつ建物が密集していないため、見通しが良いのが特徴です。
ここから北方面に向かうと、大型家電製品屋とスーパーなどが併設されたショッピングセンターがあります。
開成水辺スポーツ公園
ここは土地区画整理事業ではありませんが、「開成町マスタープラン」の「くらしゾーン」に区分される地域です。
駅より約20分歩くと、開成水辺スポーツ公園があります。ここには野球、サッカー、ゴルフなどの施設や、子供用の遊具もあります。開成町のマスタープランにおいても、公園整備の計画が記されています。
公園は十分に整備されており、非常に広々としていました。この日は快晴だったため、小さな子供はお父さん・お母さんと遊具で遊ぶ一方、少年・少女サッカーチームがグラウンドでサッカーをしていました。
また、駐車場も完備されていたため、車でのアクセスも良好です。
開成駅の交通アクセス
前述したように、開成駅は2019年より小田急線の急行停車駅となったため、各都心方面へのアクセスが楽になりました。では、どれほどの間隔で電車は走っているのでしょうか?
まず小田原・箱根方面です。朝のラッシュ時には1時間に9本出ています。それから帰宅時までに1時間6本となり、18時から21時間では、1時間に8本でています。
次に新宿方面です。朝のラッシュ時は1時間に10本でいています。1時間に帰宅時は8~9本です。
急行停車駅でなければ、電車の本数は約半減してしまうので、急行通過がもたらすアクセスは大きいと思われます。
開成町は電車のほかに、福祉コミュニティバスが走っています。月曜日~金曜日に運行しており、運賃は無料です。行き先としては町役場、開成駅、福祉会館などの町の拠点と地域の拠点である自治会館を結んでいます。時刻表は町のホームページから確認できます。
コンパクトな開成町
今回、開成町の中・南部地域を歩きました。買い物エリアは駅周辺と、そこから少し離れたところにあります。ただ、町の規模が小さいため、自家用車だけではなく、自転車や徒歩でも十分に行ける範囲で生活が成り立つのが特徴と言えます。
また開成水辺スポーツ公園があるように、自然の中で体を動かせる場が確保されていることも若い世代には嬉しいところです。交通アクセスに関してですが、少し遠出をしたければ、小田急線開成駅を利用して小田原方面・新宿方面に向かうことができます。また、足柄紫水大橋により、隣接する町との行き来がしやすいようです。
開成町のコミュニティづくり
開成町は子育て世代の流入が顕著で、子育てに関する事業提案を町民から募集、実施している事なども特徴的です。ここでは、開成町の出生率の推移やコミュニティづくりをご紹介いたします。
子育て世代の支援
開成町の2015年~2019年の合計特殊出生率を見てみると、神奈川県と全国の平均を上回っています。
同じ時期である2017年~2019年人口別にみた人口増減データからは25歳~44歳の男女、また0歳~4歳の転入が顕著に見られます。この理由として、結婚や子育て世代の住居取得が挙げられます。
開成町では子育て世帯が増えている中、町はどのような支援制度を設けているのでしょうか?
開成駅東口のすぐ近くには、子育て支援センター「あじさいっこ」があります。ここでは、子供が遊べる場のほかに、パパ友・ママ友の不安や悩み事なども共有できる場となっています。特に月別に開かれるイベントでは、パパ・ママの相談会が行われているようです。
また、お子さんに関する相談事ならば、母子健康包括支援センター「ひだまり」を使ってみるのも良いでしょう。妊娠から育児、お子さんの健康に関する相談を保健師や助産師などの専門家が行ってくれます。
このほかにも、開成町では妊娠期・子育て期の助成金制度も充実しています。ここでは小児医療助制度のほかに、妊産婦検診に対する助成金や、特定不妊医療の助成費などがあります。
町のイベント・お祭り
小さな町の開成町ですが、町の自然や伝統を生かしたイベント・お祭りは町を大いに盛り上げています。こうした魅力的なイベントが若い世代を惹きつけているようです。
●開成町 瀬戸屋敷ひなまつり (3 月)
築 300 年の古民家「瀬戸屋敷」で行われるひな まつりは、江戸時代の風情がいっぱいです。地元の蔵から発見された 300 年前の「享保雛」や瀬戸屋敷収蔵のひな人形の数々、婦人会手づくりの 「つるし雛」7,000 個以上を展示しています。
●開成町 あじさいまつり (6 月)
東京ドーム約 3.6 個分の広大な水田地帯の中に、あじさいが 5,000 株。田植えをしたばかりの緑に染まった田んぼと、虹色に咲き誇るあじさいを見 ながら、ゆっくりと散策することができます。
●開成町 納涼まつり (8 月)
夏の終わりをしめくくる納涼まつりでは、風が吹き抜ける気持ちのいい川辺で、食べたり飲んだり、音楽を聴いたり、芝生に寝ころんだり。フィナーレはほぼ真上に打ちあがる迫力の花火です。
●開成町 阿波おどり (9 月)
自治会や事業所ごとの町内連をはじめ、町外連も参加し、約1,000人の踊り手が役場周辺の道路 を練り歩きます。東日本でいちばん小さな町が一年でいちばん熱くなる夜です。
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著者プロフィール
株式会社ドリームプランニング 代表取締役 高橋樹人
法政大学工学部建築学科卒 2020年より同社代表に就任、ニッチな不動産でお馴染みURUHOMEを立ち上げ後、日本全国から不動産の悩みが寄せられる。不動産業界における高すぎる広告費の問題から、利用者と不動産業者のマッチングが適切に行われていない事を問題ととらえ、業界初の不動産業者も利用者も無料で利用できる不動産SNSウチカツ(UCIKATU)を2022年にリリースした。