駅近の好立地条件、ここに庭付き一戸建てを建てたい。
閑静な住宅地ながらも近くには教育施設や公園もあり、子育て環境に適した場所なので購入を検討したい。
理想の生活イメージに適した物件を見つけていざ不動産業者に連絡をすると「その物件は昨日売れてしまったんですが、似た条件で違う物件がございます」というような返事をされることがあります。
実際に売れてしまったケースもあるのでしょうが、実は購入者を呼び寄せるための「おとり物件」であることがあるのです。
今回は、こうした業者による客寄せのための「おとり物件」について、解説していきたいと思います。
広告で見かけた欲しい物件がない!? 購入者を釣るためのおとり物件を見抜くためには
実際には存在しない「おとり物件」とは
「おとり物件」とは、購入者が欲しがる好条件の揃った物件を、販売しているように見せかけ、実際には売買済のものなどを客寄せに掲載したままにしているもののことを言います。
その目的は、「おとり物件」で問い合わせ数を増やし実際には違う、不動産業者の売りたい物件へと誘導すること。
大手ポータルサイトなどでは、意図せずとしても物件確認が追いつかず、おとり物件のようになってしまうことはありますが、なかには既に終了していると知っていて、問い合わせ数を増やすために悪意をもって掲載していることもあるので注意が必要です。
最近では不動産公正取引協議会やポータルサイトのルールが厳しくなってきたこともあり、「おとり物件」は広告上では少なくなっていると言われています。
しかし、未だに問い合わせをした不動産業者から、未公開物件などと言われて紹介されたものの、実際はおとり物件だったというケースは後を絶ちません。
実際に販売していない物件を広告している事があるんだね
おとり物件は「宅地建物取引業法32条」に違反するので、宅建業者の免許取り消し処分にもなりうる重大なルール違反なんだ
おとり物件を見抜く5つのポイント
こうした「おとり物件」という不動産業者のトラップにひっかからないためにも、次の7つのポイントをしっかり押さえてから問い合わせをするようにするといいでしょう。
問い合わせをする際には、ひとつの不動産業者ではなく複数の不動産業者に確認する
A社に掲載されている物件でも、B社経由で問い合わせてみると、紹介できない、あるいは既に終了していると言われることがあります。
更新のタイミングの問題があるので、一概にA社に悪意があったとは言い切れませんが、こうしたケースでは実際には存在しない、あるいは既に取引が成立して終了しているということもあるので、ひとつの業者にだけ問い合わせることは避けたいものです。
いざ内見に行くと、その場所を見ることができない
気に入った物件の内見を約束し、当日不動産会社を訪れると驚きの言葉を聞かされてしまうことがあります。
「実は昨日、契約が成立してしまい、その物件は終了してしまいました」
「昨日、その物件には申し込みが入ってしまった」
これは、一般的に土日での案内が多いこともあり、購入者が来社してから物件への申し込みがあったと伝えるケースが多いようです。
欲しい物件を見ることもできず、不動産業者が売りたい物件へと誘導する手口であり、その言い訳が嘘なのかほんとうなのか見抜くことはとても難しいものです。
こうした手法を防ぐ意味でも、可能であれば平日の内見を予約することがいいでしょう。
建売などの未完成物件で詳細資料を求めると、公開してもらえない
「〇〇駅〇分の所に〇〇〇〇万円の未公開物件が出ました」と不動産会社から物件概要だけ教えられて実際に見に行ってみると、現場はただの更地、若しくは建築中で、謄本や公図、測量図、平面図、立面図といった、その物件がどのような姿をしているのか知りたいのに、その情報を公開してもらえないことがあります。
不動産業者の言い訳に多く見られるのが、まだ資料はできていません、というもの。確認申請が済んでいれば、前述の書類はすべて揃っていなければなりません。
実際に着工しているのであれば、出せないということはないのです。こういった物件の場合、元々販売していない架空の物件、もしくはすでに売れてしまったので出すことができない、というのが理由として考えられるでしょう。
それゆえ詳細情報を公開されない物件は、建築計画段階ならまだしも要注意といえるのです。
現地へいくとそこには古民家が建っている、あるいは駐車場として利用されている
前項と同じように「〇〇駅〇分の所に〇〇〇〇万円でとっておきの未公開物件が出ました。弊社しか紹介できません」などと言われ、どのような場所に建つのか見に行くと、そこには古い家が建っていることがあります。もしくは、駐車場として未だに使われているなど、着工する様子がないケースがあります。このようなときにも注意する必要があると言えます。
実は販売する計画など、存在していないこともあるからです。
不動産業者の手口としては、「まだ建売業者さんが決済前の物件なので、古家がありますが、決済後直ぐに解体します」などと、あたかもこれから着工するような説明をします。それにもかかわらず、間取りのわかる平面図などは存在せず、詳細は不明。怪しいと思って検討をやめようとすると、別の物件に誘導するといったことをすることも。
こうした疑問を感じた際には、その不動産業者との取引はやめておくことをおすすめします。一生に一度、あるかないかの高額な買い物になるわけですから、不動産会社との信頼関係はもっとも大切なこと。疑念を抱かせるような不動産業者からの購入はやめるに限るのです。
しかし、実際には本当に更地でこれから建築予定でも資料が直ぐに貰えなかったり、売主が決済前の為に、古家が建っていたりするような物件でも、その会社や営業マンの情報収集力により、本当に他の業者より前に情報をキャッチしている事もあります。
不動産業者の言っていることが事実かどうか、おとり物件に引っかかっていないか見抜くためにも、少なくとも次のことは必ず確認してきましょう。
これから工事を始める物件であれば、上記のことには必ず答えられるはずなのです。こうしたものが揃わない物件を提示する不動産業者は、信用できないと思うことが賢明です。
土地や建築物の詳しい資料を見れれば安心だね
少しでも不安に思ったら、ウチカツで相談してみよう
複数の広告を比較した際に、A社だけ条件が良い
賃貸物件で良く見られることなのですが、他社が掲載している広告と比べた際に、同一物件であるにもかかわらず、条件が良いことがあります。たとえば賃料が安い、駅からの立地が良い、表記されている間取りが広いなどがこれに該当します。
結論から言えば、同一物件の場合、業者ごとに条件が違うことはありません。賃料が安いのは、本来支払わなければいけない費用を掲載していない、など何かしら隠して安く見せているだけなのです。
契約後にあとからこの費用も必要です、ということにならないよう、目先の金額に惑わされないようにしたいものです。
「もしかしておとり物件かも?」と思ったときには
これまで「おとり物件」を見抜くためのポイントをお伝えしてきましたが、慣れない不動産売買という取引のなかで、これは「おとり物件」なのではないか、と迷われることも出てくると思います。そのようなときには不動産SNS「ウチカツ」を利用されることをおすすめします。
たとえばその物件があるのかないのか、誰に相談したらいいのかわからないというケース。「ウチカツ」で相談をしていただくと、全国の優良不動産会社がそうした疑問に回答してくれます。匿名かつ無料で不動産の相談ができるので、回答の中からベストな不動産業者に直接相談をすることも可能ですし、実際に紹介可能な物件かどうかも相談することができます。
また、万が一「おとり物件」に遭遇した際には、各地区の不動産公正取引協議会連合会や、ポータルサイト広告適正化部会、各ポータルサイトに通報することもできます。悪質なものはそのような通報で排除されますし、他の方が騙されてしまうこともなくなります。
意図的な架空物件は減っていますが、物件情報が更新されていないため起きるケースもあるようです。
おとり物件・釣り物件に関する記事、口コミ
LIFULLの調査によると4人に1人がおとり物件に遭遇した可能性があり、交通費などで使った金金額が30億円にも上るという調査もあるようです。
また、おとり物件については、SNSで次のような投稿もありました。
@sasakitoshinao
@yamakazu_fudo 10/31
おとり物件に不安があるなら
少しでも不安があるのであれば、不動産SNS「ウチカツ」を利用してみてください。
また、「ウチカツ」では不動産物件の掲載もしています。掲載されている物件は、すべて媒介で不動産業者が預かっている物件か、自社で売主として販売、賃貸している物件なので、大手ポータルサイトのように先物[自社管理以外の物件]が掲載されていません。
そのため、物件確認を行ったためにおこるようなこともほぼ無いといえるでしょう。
UCIKATU(ウチカツ)なら匿名で相談できるから安心
また、前述したように不動産相談機能で、気になる物件がおとり物件かどうか、匿名で質問することができます。
実際に一般的な不動産ポータルサイトに掲載されている物件や会社に問い合わせをすると、個人情報の入力をしなければならなかったり、電話すると着信履歴が残ってしまったりします。ところがウチカツの不動産相談機能では、電話番号はもちろん、メールアドレスも公開されないため、しつこい営業電話をされる心配をせずに気軽に質問することができるのです。
それに、質問者様からの問い合わせも不動産業者の回答も、誰でも見れるようになっている上に半永久的に残るため、不動産業者も大勢の人が閲覧しているところで嘘をいう事は出来ません。
普通の不動産ポータルサイトの場合、物件を見に行くには個人情報を入力したうえで問い合わせをします。それから不動産業者に出向き、物件の案内を受けるというのが一般的でした。この場合、いちいち個人情報を不動産業者に開示しなければなりませんし、実際に不動産業者の担当者と会ってみないと、その人との相性やおとり物件かどうかなど、詳しい部分は中々分かりませんでした。
しかしウチカツの不動産相談を利用すれば、不動産業者に連絡先を知られずに、問い合わせしようと思っている物件がおとり物件かどうかや、相性の合う誠実そうな不動産業者や営業マンかどうかを知ることが出来るのです。
つまり、今までは物件から問い合わせをすることはできても、不動産業者や営業マンは選べなかったのに対し、ウチカツなら不動産SNSなので、物件から問い合わせを出来るのは当たり前で、不動産業者や営業マンを選ぶためのツールとしても利用できるという大きなメリットがあるのです。この点において、業界初で画期的なツールといえるでしょう。
UCIKATU(ウチカツ)は業界で唯一不動産会社も無料だから面倒な質問もOK
また、一般的な不動産ポータルサイトは物件掲載をするのに多額の広告費が必要なので、予算が潤沢な一部の不動産業者しか皆様は出会うことが出来ませんでした。
しかし、ウチカツは業界初の不動産業者が唯一無料で利用できる不動産のSNSのため、地元に本当に詳しい不動産業者さんも多数登録しています。
広告費の潤沢な不動産業者は営業マンの入れ替わりも激しいため、担当営業に当たり外れがありますが、地元に根付いた不動産業者の場合、問い合わせしようと思っている物件がおとり物件かどうかなど、答えるのに少し手間がかかるような質問でも細かく対応できる可能性もあります。
おとり物件に引っかかりたくない、様々な業者の中から相性の良い不動産業者に物件を紹介したほしいとお考えの方は、ぜひウチカツをご利用ください。
著者プロフィール
OFFICE-SANGA 代表 山河 宗太
ゼネコンで公共施設や集合住宅などの現場管理を経て、執筆業に転身。現在では編集プロダクションOFFICE-SANGAを主宰し、雑誌や書籍のみならず、WEBでも制作の場所を広げている。経験を活かした建設・不動産以外にも、歴史やグルメ、旅行関連など幅広く活動している。『現場監督が暴く! 欠陥マンションの簡単な見抜き方』(ブックマン社)や『「君、こんなことも知らんのか」といわれる前に読む本』(洋泉社)など著書、編著多数あり。