不動産の「両手」「片手」「分かれ」とは?

両手・片手・分かれについて
両手・片手・分かれについて

”不動産の売買で物件を購入する時”
”不動産の賃貸で物件を借りる時”
「両手」「片手」「分かれ」という言葉をたまに聞きませんか?

主に成功報酬の受け取りに関する用語であり
業界では当たり前のように使われます。
そんな訳で今回は、現役不動産屋社長である私が
「両手」「片手」「分かれ」について解説してまいります。

著者プロフィール 


ドリームプランニング 高橋

株式会社ドリームプランニング 代表取締役 高橋樹人

法政大学工学部建築学科卒 2020年より同社代表に就任、ニッチな不動産でお馴染みURUHOMEを立ち上げ後、日本全国から不動産の悩みが寄せられる。不動産業界における高すぎる広告費の問題から、利用者と不動産業者のマッチングが適切に行われていない事を問題ととらえ、業界初の不動産業者も利用者も無料で利用できる不動産SNSウチカツ(UCIKATU)を2022年にリリースした。

両手・片手と囲い込みが生まれる背景についても解説

両手、片手、分かれとは

「両手」「片手」「分かれ」とは、全て不動産業の報酬の受け取り方を言います。
不動産では、売主、買主から報酬を受け取ることができますが、それぞれから仲介手数料を頂くことを「両手」と言います。
また、売主か買主のどちらかからのみ報酬を受け取ることを、「片手」「分かれ」と言います。

不動産取引には「元付」といって、売主から不動産の媒介を受けて売却活動を行う場合と、「客付」といって、買主に不動産を紹介する事があります。

「元付」と「客付」を同じ不動産業者が兼ねることを(売主・買主の双方から仲介手数料が貰えるので)「両手」
「元付」と「客付」を別々の会社が行う事を(売主・買主のどちらか一方からのみ仲介手数料が貰えるので)「片手」「分かれ」
と言います。

簡単に言うと、両手取引の場合、売主と買主両方から報酬を受け取れるので、ほとんどの場合は片手取引の2倍の報酬額を受け取れるという事です。

両手取引と片手取引
両手取引は売主・買主の両方から、片手取引は売主・買主の一方のみから仲介手数料を受領する

両手取引が行われる場合

不動産業者が売主の場合、多くは両手取引となります。例えば「新築一戸建て」や「中古リフォームマンション」「中古リフォーム済一戸建て」等は、一度不動産業者が買取り、エンドユーザーに向けて販売しております。

売主が不動産業者の場合、売主自らが「レインズ」という不動産業者のみが閲覧できるサイトに登録して売却活動をしているので、客付け業者が売主からも買主からも仲介手数料を受け取ることが出来ます。
また、一般の方が売主の場合でも、元付業者が買主を見つけられれば両手取引となります。

両手取引
売主が不動産業者の場合は両手取引になる事が多い

両手物件の見分け方

不動産業者が売主の場合や、元付業者が媒介を受けて販売している場合で、購入希望者に直接紹介している場合の物件を両手物件と言います。

基本的に両手物件の方が報酬額が多いので、不動産業者は両手物件を紹介します。
前述しているように「新築一戸建」「中古リフォームマンション・一戸建て」のように、綺麗な状態で販売しているものが両手物件の事が多いです。
また、ポータルサイトに何件も掲載されている物件の場合、両手物件の可能性が高いです。

片手(分かれ)取引が行われる場合

不動産業者が一般の方から媒介を受けて販売をしていて、別の不動産業者を通して買主が見つかった場合、片手(分かれ)取引となります。

一般の方から販売を任されている場合、元付業者で買主を見つけられるように、どこの不動産業者も頑張りますが、実際は片手(分かれ)取引になることが比較的多いです。

片手取引
売主が一般の方の場合、片手取引になる事が多い

片手(分かれ)物件の見分け方

一番わかりやすいのが、案内された物件に他の不動産業者の人が立ち会っていたり、鍵を受け取りにどこかの不動産業者に立ち寄ったりした場合、その物件は片手(分かれ)物件になります。

囲い込みが生まれる背景

両手、片手(分かれ)と「囲い込み」が何の関係があるのかと思われるかもしれませんが、片手(分かれ)取引を両手取引にするために、以前は様々な「囲い込み」が行われておりました。

「囲い込み」とは両手取引による報酬を目当てとして、元付業者でしか客付け出来ないようにする違法行為です。
「本来は登録しなければならない”レインズ”に物件登録をしない」「他社から物件案内の依頼があっても”申し込みが入っている”と嘘をつく」等、色々な違法行為が行われていました。

囲い込み
囲い込みは他の会社に物件を紹介させないようにすること

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両手物件・片手(分かれ)物件と仲介手数料

ここで、両手物件であれば仲介手数料が安くなりそう、片手(分かれ)物件は仲介手数料は安くならなそうと思った方もいらっしゃると思います。
しかし、両手物件も片手(分かれ)物件であっても、大手や中堅の会社であれば仲介手数料が安くなることはほとんどありません。
一方、中小の不動産業者は両手物件でも片手物件でもあれば、仲介手数料を交渉する余地もあります。

仲介手数料を安くすることを目当てに、客付業者を無視して元付業者に行くことはルール違反

客付け業者から案内された物件を、元付業者に行けば仲介手数料が安くなるだろうと思って、客付け業者に断りを居れずに元付業者に行く方がごくまれにいらっしゃいます。

しかし、このようなことをすると、場合によっては仲介手数料相当額を請求される可能性があるので止めましょう。

客付け業者を無視して元付け業者
客付け業者を無視して元付け業者と交渉するのはやめましょう

両手物件で仲介手数料が安くなるといって、契約直前で客付け業者を変えるのもルール違反

このケースになるとかなり多くいらっしゃいます。
仲介手数料相当額を請求される可能性があるかどうかは、購入申込書を書いているかどうかが大きなポイントです。
まず一度案内された物件を他の会社で契約しようと思っているときは、トラブルを避けるためにきちんと案内された会社に仲介手数料が安くならないか確認し、どうしてもならない場合は他の会社で契約する旨をきちんと説明して、納得してもらうようにしましょう。

客付け業者を直前で変える
購入申込みをしてから契約直前で客付け業者を変えるのはトラブルの元になります

両手物件ばかりを勧めてくる会社に対する対処

不動産業者であれば、基本的には両手物件を勧めてくることが多いかと思います。
両手物件であれば不動産業者が売主の事が多く、住宅瑕疵担保履行法により、主要構造部など10年間の保証責任もついてくるのですが、中古住宅の方が良いという方も中にはいらっしゃるかと思います。

そんな場合は、きちんと中古住宅も紹介してほしい旨を伝えるようにしましょう。

ポータルサイトで問い合わせして物件を紹介してくれる会社の場合、広告費が高いため両手物件を勧められる事も多いかと思います。

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不動産SNSウチカツであれば、不動産探しに関して無料かつ匿名で相談出来て、地元の不動産業者が適切なアドバイスをしてくれます。
ウチカツは一般的な不動産ポータルサイトと違い不動産業者が利用するための広告費が不要なため、無理に両手物件を勧められることもなく、複数の回答の中から最も自分に合った不動産業者に物件探しの手伝いをお願いすることが出来ます。
ウチカツの不動産相談機能を利用して、最適な不動産業者を探しましょう!

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