送電線や高圧線下の不動産を売る時
「いい値段で売れるか」
とても気になりますよね。
体への影響を気にしている方も居ますし
建築の制限などもあるので
ちゃんと売れるかご不安かと思います。
そこで現役不動産屋の社長で
「不動産SNSウチカツ」という
相談や査定が無料で出来るサイトも運用している私が
送電線下の不動産の売却ついて解説いたします。
著者プロフィール
株式会社ドリームプランニング 代表取締役 高橋樹人
法政大学工学部建築学科卒 2020年より同社代表に就任、ニッチな不動産でお馴染みURUHOMEを立ち上げ後、日本全国から不動産の悩みが寄せられる。不動産業界における高すぎる広告費の問題から、利用者と不動産業者のマッチングが適切に行われていない事を問題ととらえ、業界初の不動産業者も利用者も無料で利用できる不動産SNSウチカツ(UCIKATU)を2022年にリリースした。
送電線・高圧線下の不動産の建物制限などについて
送電線や高圧線には様々な電圧のものがある
送電線って、様々な電圧のものがあるって知ってました?
発電所で発電された電気は、複数の変電所で電圧を下げながら、家の近くの電柱まで届けられます。
電柱の上には、柱上変圧器(ちゅうじょうへんあつき)というよく見るゴミ箱のような装置で、100Vか200Vの一般家庭で利用される電圧まで下げられて、配電線(引き込み電線)を通って、各家庭に電気が届けられます。
ちなみに、発電所から送電される電圧が一番高圧で、通常27.5万V〜51万Vです。
1-1.電圧の種類
電圧は、電技省令第3条で、以下の低圧・高圧・特別高圧の3種類の区分に分けられています。
区分 | 交流 | 直流 |
低圧 | 600V以下 | 750V以下 |
高圧 | 600V超〜7,000V以下 | 750V超〜7,000V以下 |
特別高圧 | 7,000V超 | 7,000V超 |
送電線・高圧線下の建物は、建築の制限受ける。
高圧線は低周波の電磁波を発しており、健康被害につながると考えられています。
また、周辺の建造物の火災による影響を防止するため、送電線・高圧線は建物などから一定距離をおかなければなりません。
ここで、一定距離ってどのくらいかと思いますよね。
実は、高圧線下の土地でどのように建築制限を受けるかは、「高圧線を流れる電圧の大きさ」によって制限の程度が異なります。
高圧線の電圧が17万V以上の場合
高圧線の電圧が17万ボルト以上の場合、高圧線の真下とその側面3mまでの範囲において、建築が禁止されています。
つまり、送電線から水平距離で3mのところまでは建物が建てられないという事です。
高圧線の下の3mずつのところは建物が建てられないってことね
上の図はかなり簡単に書いてるけど、17万V以上の所は、送電線が何本もあって、振れ幅も計算しなきゃいけないんだ
高圧線からの離隔距離の範囲内も建築不可
17万V以下であれば、自由に建物を建てて良いかと入れれると、残念ながらそうではありません。
高圧線には、電圧によって定められた離隔距離があります。離隔距離とは「建築するときに電線(最も垂れている状態)から離すべき半径距離」を指します。(電気設備に関する技術基準を定める省令第48条)
つまり、17万ボルト以下でも送電線からはその決められた一定距離(離隔距離)を離さなければ建築できないということです。
しかも高圧線、送電線は風によって振れるので、ふり幅も計算しなければなりません。
ちなみに電力会社によっては“離隔距離”“側面から3m”以外にも、厳しい基準を定め、線下の土地所有者と契約して土地利用を制限している場合もあります。
電圧 | 離隔距離 |
50万ボルト | 10.05m |
27.5万ボルト | 6.6m |
15.4万ボルト | 4.8m |
6.6万ボルト | 3.6m |
17万V以下の場合、高圧線下でも建てられるかもしれないけど、離隔距離は話さなきゃいけないんだね。
そうだね。上の図はかなり分かりやすく書いてるけど、要は「17万V以上は送電線から3mの範囲+離隔距離は建築不可」「17万V以下は離隔距離は建築不可」という事だね。
送電線・高圧線下の土地には地役権設定や送電線架設保持契約がある。
送電線・高圧線下の土地には地役権設定といって土地の登記簿謄本に「土地に電力会社による建築制限が及ぶことが記載されている」事があります。
また、それ以外にも「送電線架設保持契約」といって、登記はされていないが、電力会社との契約が交わされている可能性があります。
地役権設定により建築が制限されている事がある。
電力会社によっては、前項の“離隔距離”や“側面から3m”の建築制限以外に、厳しい規制がある可能性もあります。
電力会社は、送電線が他人の敷地を通る上で、建築制限や保守点検の為に、「地役権」といって土地の登記簿謄本に「電力会社による建築制限が及ぶことが記載されている」事があります。
また、送電線・高圧線の地役権設定を許可した土地の所有者には、土地の利用が制約されることへの対価として、電気事業者から補償金が支払われている事があります。
権利部(乙区) | 所有権以外の権利に関する事項 | ||
順位番号 | 登記の目的 | 受付年月日・受付番号 | 権利その他の事項 |
1 | 地役権設定 | 平成〇〇年〇月〇日第〇〇〇〇〇号 | 原因 平成〇〇年〇月〇日設定目的 電線の支持物を除く電線路を設置すること及び、その保守運営の為の土地の立ち入り並びに当該電線路の最下垂時における電線の高さから3.45mを控除した高さを超える建築物等の築造の禁止 |
地役権登記がされていないが特別に建築制限を受けている事もある
山間部などでは、わざわざ地役権設定登記を行わない事もあります。
ですので、これから売買を考えている方は、必ず契約内容について電力会社にヒアリングしましょう。
この場合は、地役権を設定する代わりに、電力会社と土地所有者の間で「送電線架設保持に関する契約」が結ばれている事もあります。
こういった場合は、年払いなどにより継続してお金が支払われているケースが多いです。
登記はされてないけど、建物の制限がされるとこもあるんだね
送電線・高圧線下の不動産の諸問題
送電線・高圧線は、人体への影響や、放電による騒音、電波障害などが懸念され、嫌悪施設と考えられる傾向があります。
送電線が与える人体への影響
1979年の米国での報告を皮切りに1980年代にスウェーデン等の研究者から、高圧線が発する低周波の電磁波を浴びることによる健康被害が相次いで発表されました。
その一方、「影響はない」という結果を示しているものもあります。
そのため、WHO等の中立公正な国際機関は、一部の研究だけではなく、多くの研究結果を総合的に評価し、「悪影響があるのではないか」との研究結果も考慮に入れたうえで、「長期的影響は科学的証拠が不十分」との評価を行っております。
あくまで証拠が不十分という事なので、電磁波の影響のあるなしを結論付けるのはまだ難しいといえるでしょう。
送電線が起こす放電現象
送電線の電圧が非常に高くなったときに、主に鉄塔接続部分の”がいし”付近で周囲の空気との間における絶縁状態が部分的に破れて、放電が発生する場合がある。
この時に発せられるジリジリといった騒音のほか、障害電波や高周波の発生なども問題になっております。
WTOの見解からすると、人体へ影響があるともないとも言えないっていう事だね。
送電線近くの不動産を売買しようとしているときに、電力会社に言うと、電磁波を測定してくれるんだけど、「人体に影響がある数値ではない」としか言わないよね。
でも実際は因果関係を証明できないだけであって、影響が無いとは言い切れないよね。
送電線・高圧線下の土地・建物の売却のポイント
送電線・高圧線下の不動産売却の際は、補償金を受け取っているか?
送電線・高圧線下の不動産購入の際は、補償金の分は売買価格を交渉される可能性が高いです。
ですので、その分も価格交渉されることを見込んで販売価格を決めることをお勧めします。
電力会社との「送電線架設保持契約」、「地役権設定登記」の確認
送電線架設保持契約を交わしている場合で手元に資料が無い場合、電力会社で保存している可能性が高いです。手元に資料が無い場合は取り寄せるようにしましょう。
また、地役権設定登記の有無は、登記簿謄本で確認できます。確認できない場合はウチカツの不動産相談で不動産業者に相談するなどして、謄本を取得するなどしてもらいましょう。
送電線・高圧線に抵抗がある方が多い事を念頭に置きましょう。
送電線・高圧線の人体への影響が懸念され始めたのが1980年代頃からの為、それ以前に不動産を所有されていた方や、電磁波などの問題を気にしない方は、売却に影響がないと思われる方もいらっしゃるかと思います。
ただ、電磁波の問題以外も、鉄塔がある事で威圧感を感じる方、景観を気にする方も多くいるのも事実で、少なからず価格への影響もございます。
電磁波や見た目の事を一切気にせず、高圧線下の建物は地役権設定がされていて広くて良いと考える方も居るのも事実です。
高圧線・送電線下の不動産の売却はウチカツがおススメ
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ちょっとだけ長い目でみて希望の価格で一般の方に売却する事は可能かと思います。
ただ、ちょっと安くても早く売りたいという方は、不動産業者に直接買い取ってもらうのもお勧めです。
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