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低廉な空き家取引の報酬上限UP?国交省告示の改正案を分かりやすく解説!

ウチタイ仲介手数料・国交省告示アイキャッチ

「2024年5月2日に国土交通省がパブリック・コメントを出したけど、これはどういうことなの?」
ニッチな不動産でおなじみドリームプランニングでは、こうした不動産ニュースに対するお問い合わせをよくいただきます。
今回は国土交通省の告示改正案について、何がどう変わるのか、世界一分かりやすく解説いたしましょう!

【結論】今回の改正案で何がどう変わるの?

結論から先に言うと、国土交通省の告示改正案とは

不動産会社(宅建業者)が安い空き家取引で受け取れる報酬金額の上限アップ!

ということです。

不動産会社がお客さんから受け取れる報酬金額(仲介手数料)は、取引する不動産の価格に比例します。

なので安い空き家の取引を仲介しても、通常物件と変わらない手間の割に、あまり報酬を受け取れません。

だから不動産会社は安い空家の取引をしたがらず、売買されない空き家が持て余されてしまうのです。

こうして日本の空き家問題が深刻化していく……この事態を解消するため、不動産会社の報酬金額を引き上げることでやる気を出してもらい、安い空き家の取引を活性化させようというのが今回の改定目的となります。

※参考:「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」の一部改正案に関する意見募集について|e-Govパブリック・コメント

今回の主な改定部分は?

それでは次に、改定内容を見ていきましょう。

今回改正するのは国土交通省告示「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬額(長すぎるので以下、宅建業者~報酬額)」のうち、主に以下の部分です。

  • 第四 貸借の媒介に関する報酬の額
  • 第五 貸借の代理に関する報酬の額
  • 第七 空家等の売買又は交換の媒介における特例
  • 第八 空家等の売買又は交換の代理における特例

以下は結論のみ【Before】と【After】でサクサク解説していきましょう。

※参考:【Before】宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(令和元年8月30日・国土交通省告示第493号)
※参考:【After】「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることが
できる報酬の額」の一部改正(案)について(概要)

第四「貸借の媒介に関する報酬の額」はどう変わる?

【Before】
空家等の貸借について、借主と貸主の双方から受け取れる仲介手数料の合計は賃料1ヶ月分が上限です。負担割合については、借主の承諾を得ていない限り貸主との折半になります。

【After】
空家等の長期貸借について、条件を満たしていれば仲介手数料を賃料2ヶ月分まで受け取れるようになります。
条件は借主負担が賃料の1ヶ月分以内(物件が居住用であり、かつ借主の承諾を得ていない場合は0.5ヶ月分以内)であること。
つまり貸主負担が賃料1.0~1.5ヶ月分以上になるようです。

「長期」とは?

長期とはどのくらいの期間を指すのか?筆者も気になりましたが、特に厳格な定義はないようです。

「長期の空家等(現に長期間にわたって居住の用、事業の用その他の用途に供されておらず、又は将来にわたり居住の用、事業の用その他の用途に供される見込みがない宅地又は建物をいう。)」

※前掲の【After】一部改正案概要より。

第五「貸借の代理に関する報酬の額」はどう変わる?

【Before】
空家等の貸借を代理する場合も、借主と貸主の双方から受け取れる報酬額の合計は賃料の1ヶ月分が上限。負担割合についての規定はありません。

【After】
空家等の長期貸借について、条件を満たしていれば報酬額を賃料の2ヶ月分まで受け取れるようになります。
条件は借主負担が賃料の1ヶ月分以内(借主が代理ではなく仲介を依頼しており、物件が居住用かつ承諾を得ていない場合は0.5ヶ月分以内)であること。
つまり貸主負担が賃料1.0~1.5ヶ月分以上になる予定です。

第七「空家等の売買又は交換の媒介における特例」はどう変わる?

【Before】
低廉(400万円以下)な空き家等の売買や交換で、売主依頼による現地調査費用が発生した場合、通常の仲介手数料と合計で最大18万円(税抜)まで請求できます。

【After】
同じ条件で最大30万円(税抜)まで請求可能になる予定です。

第八「空家等の売買又は交換の代理における特例」はどう変わる?

【Before】
低廉な空き家等の売買や交換における報酬計算が仲介手数料の2倍に。低廉な売主依頼による現地調査費用が発生した場合は上乗せして請求できます。

【After】
同じ条件で最大60万円(税抜)まで請求可能となる予定です。

今回の改正案をざっくりまとめ

改正部分BeforeAfter
低廉の定義(特例の適用範囲)400万円以下800万円以下
第四「貸借の仲介手数料」賃料の1ヶ月分(税抜)賃料の2ヶ月分(税抜)
第五「貸借の代理手数料」賃料の1ヶ月分(税抜)賃料の2ヶ月分(税抜)
第七「低廉な空家の仲介」最大18万円(税抜)最大30万円(税抜)
第八「低廉な空家の代理」仲介の2倍(税抜)最大60万円(税抜)
※UCIKATU TIMESまとめ

今後の予定は?

パブリックコメントは2024年5月31日(金)まで実施。同年6月中に公布して、7月1日に施行予定とのこと。ずいぶんタイトなスケジュールですね。

5月いっぱいまで意見を募集するだけしておいて、6月いっぱいで意見をまとめることが出来るのでしょうか。

まして受け付けた意見改正案へ反映させるには、とても時間が足りないと思います。

こういう聞くだけ聞くポーズをとる辺りが、いかにも日本のお役所らしいな……と思ってしまいますが、仕方ありませんね。

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