井戸がある不動産をお持ちの方は
「売却ってどうしたら良い?」
「そもそも売れるの?」
と考えたことはありませんか?
よくよく考えてみると
私共が購入させていただいている不動産でも結構な数の井戸が含まれていました。
「井戸がある事で売却金額に違いが出てくるんじゃない?」
「埋め戻しとか、お祓いをしてから売却した方が良いんじゃない?」
そう思われた方に、現役不動産屋の社長である私が
井戸のある不動産の売却についてご説明いたします。
井戸のある庭の土地の売却方法
井戸って何?
戦後まもなくの1950年、水道の普及率は26.2%、水道普及率が50%を超えたのが1960年ごろで、90%を超えたのが1980年ごろです。
水道が普及する前は皆井戸を利用していました。
井戸は生活にとって不可欠なものであり、コミュニケーションの場や、信仰の対象とされてきました。
その為「井戸には聖なる力が宿っている」「井戸には神様が宿っている」などと考えられています。
井戸には禁忌も多く、刃物や金物を投げ込むことや、大声を発することはいけないこととされています。
都心部に住んでいる方は、井戸を見かける事は無いと思いますが、現在上水道の普及率が一番低いのが熊本県で、86.6%です。
その為、現在でも熊本県では多くの井戸が使われています。
「井戸の息抜き」ってなに?
「井戸の息抜き」とは、塩化ビニール製のパイプや、節抜きした竹を、井戸の底から地面まで通すことです。
これは、神聖であると考えられている井戸を埋め戻したあとも、井戸に宿っている水神様が通り道として使ったり、呼吸をしたりできるようにするために、古くから風習として行われています。
また、井戸には腐敗したガスがたまりやすいため、井戸の内部に溜まっている湿気やガスを外に逃がためという役割も担っています。
また、息抜きをすることで、解体した井戸の真上に建物を建てないようにという目印的な役割もあります。
お祓い、魂抜きとは
井戸は多くの人々にとって神聖な場所であったため、井戸の解体の際には必ずお祓いなどの儀式を行う事も多くあります。
井戸を撤去するにあたり、これまで生活を守ってきてくれた水の神様に、何ら感謝も告げずに井戸を埋めてしまうのは失礼でないかという考えです。
お祓いしないといけないという決まりはありませんが、今後の家族の繁栄を祈願する上でもお祓いは行った方が良いかと思います。
井戸の息抜き、お祓いはだれにお願いする?
井戸の息抜き、お祓いは、神社の神主やお寺の僧侶にお願いする事になります。
基本的にはお祓いは3~5万円程度で、遠方から来てもらう場合は別途出張費がかかる事もあります。
また、お祓いをする際には「新米」「日本酒」「塩」「水」「野菜」などを用意する事もあります。
「魂抜き」と「息抜き」って違うんだね
どちらかしかやらないという所も増えてるけど、両方やった方が良いよね。
井戸を埋めもどす方法
井戸の埋め戻し手順は以下の通りです。
井戸内部の掃除
井戸内部の枯葉、枯木などを撤去、水抜きして清掃する事もあります。
魂抜き、息抜き
- まず先に魂抜きを行います。
いわゆるお祓いの作業になるのですが、神社やお寺にお願いする事が多いです。
今まで井戸にお世話になった事をきちんと感謝しましょう。 - その次に息抜きをします。
息抜きは神社やお寺さんによってはやらない事もあり、解体業者さんがやる事もあります。
息抜きには「井戸の神様が外に出れるように」という儀式的な役割と、「井戸の中にたまっているガスを抜く」という実務的な役割があります。
一般的にはパイプなどで息抜きをすることが多いのですが、パイプだとそのまま残ってしまのであまりよくはありません。
正式なやり方としては、竹の節にきちんと穴をあけて貫通させたものを使い息抜きをします。
竹の節を開けて貫通させたもので息抜きをした方が良いんだね
本来は、井戸解体後に竹が地上に出ているのが息抜きなんだ。竹が自然と朽ち果てて土に戻るというのが本来の息抜きのやり方なんだね。
土管の撤去・埋め戻し
井戸の土管については下の方の土管は割るだけにして残し、出来る限り取り除いた方が良いです。土管を取り除かないで地中に埋めてしまうと、井戸があったところに空洞が出来やすくなり、将来的に陥没する可能性も出来てきます。
土管を取り除くと少し解体費用は高くなりますが、特に井戸があった場所に建物を建てる場合は、取り除いた方が無難です。
井戸を解体する費用・注意点について
井戸を解体する際の費用、息抜きや魂抜きの費用について解説していきます。
井戸を解体する際の費用
井戸を解体する場合、大体10~15万円位かかります。内訳としては「お祓いで5万円」「井戸の周りのコンクリートの撤去で3万円」「砂の搬入、埋め戻し作業が5万円位」「水抜きで2万円」「息抜きで1万円」位が相場です。
井戸解体の注意点
井戸の解体はプロにお願いするのが一番です。適当に土砂を流して埋めてしまうと地盤がゆるくなって沈下したり、水質が悪くなることもあります。
また、売却の際は井戸があったことを重要事項説明で説明しなければならず、「お祓いをして埋め戻した」など、どのようにして埋め戻したかも買主さんに知らせる必要があります。
もしお祓いしたところの写真を撮っても大丈夫であれば、写真も撮ることをお勧めいたします。
井戸があった事による不動産売却、価格への影響
井戸があったことで不動産の価格へ影響することはほとんどありません。きちんとお祓いをしていれば大半の方はそこまで気にすることはありません。
ただ、井戸があるお家の場合、個人の力では建物や井戸の解体が難しいため、多くは不動産業者に直接買い取りをしてもらう事が多いです。
以上、井戸のある庭を持つ不動産についてご説明してまいりました。井戸のある不動産については、解体業者やお祓いをしてくださる神社の手配が大変なことが多く、不動産業者に直接買い取ってもらう方が多いです。
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著者プロフィール
株式会社ドリームプランニング 代表取締役 高橋樹人
法政大学工学部建築学科卒 2020年より同社代表に就任、ニッチな不動産でお馴染みURUHOMEを立ち上げ後、日本全国から不動産の悩みが寄せられる。不動産業界における高すぎる広告費の問題から、利用者と不動産業者のマッチングが適切に行われていない事を問題ととらえ、業界初の不動産業者も利用者も無料で利用できる不動産SNSウチカツ(UCIKATU)を2022年にリリースした。